シマリス 雌(♀) 7歳
お腹のしこりに気づき来院
通常でしたら、針を刺す検査(腫瘍か炎症の鑑別)が最初にやるべきことです。
しかしシマリスなどの小型動物では、性格にもよりますが鎮静麻酔をかけなければ
うまく検査ができないことがあります。
今回の症例では、年齢も高いため検査時の麻酔のリスクも考慮し
まず内科的な投薬治療で経過をみました。
しかし約2週間で、腫瘍のコントロールが難しいと判断し手術にふみきりました。
小型動物のしこりでは色々な種類があるため、この時点では何かわかりません。
しかし触ると、腫瘍の無い後方部分も一緒に動くような…
写真では分かりにくいですが、乳腺と繋がっていました。
あとは病理学検査機関に検査してもらいます。。。結果は乳腺癌。
さて、ここで通常は下の乳腺も含め拡大切除すべきなのですが、、、、止めました。
げっ歯類などの小型動物では術後の傷を触らない子がほぼいないため、傷が大きいということは
治りに関してとても不利な要素となります。また単純に、縫合にかかる時間も増え麻酔時間も伸びます。
飼い主様にも了承を得て、最低限の手術で終了しました。
再発の場合は光線温熱療法(PHT)を準備しています。
2週間後、現時点では再発もなく経過良好。
また腫瘍を取ったことで、年のせいと思ってた動きの悪さなどが改善し
とても元気になったとのことです^^
小型動物の腫瘍(しこり)は、想像以上に大きくなることが多々あります。
発見した場合は手術なども含め早めに対処してください。
大きくなりすぎてからでは、打つ手が限られます。